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青柳総本家

青柳総本家店舗

創業以来のチャレンジスピリットで次々に新商品を

青柳総本家の創業は、明治12年(1879年)。初代・後藤利兵衛は明治11年(1878年)ごろ、東京の親戚宅に身を寄せて、知人から蒸し羊羹の技術を教えてもらった。翌年に名古屋に戻って大須門前通で羊羹業を始めたという。

この創業時には大変な苦労話がエピソードとして残されている。もともと尾張徳川家御用達の製綿業を生業としていた後藤家は維新の政変によって家業が厳しくなった。そこで家宝と伝えられていた銘刀の正宗・兼光・秋広を尾張徳川家に献納し、蒸し羊羹を尾張徳川家にて毎日百本買い上げの命を受けて資金と販路を得ることができた。「青柳」の屋号は、この時の尾張十七代徳川慶勝公からさずかったものである。庶民の娯楽の町であった大須とともに、青柳の蒸し羊羹は人気を博していった。

その後2代目が東京で商いの勉強をしている時に、ういろうの製造を教えてもらう機会を得て、名古屋に戻った2代目が羊羹と同じく蒸し菓子であるういろう製造をスタート。素朴な味わいと手軽な値段に、大須の庶民性も加わって、青柳のういろうは知名度をどんどん上げていった。3代目の時代には販路の拡大に成功したが、空襲で店舗を焼失。4代目は戦時中に報道写真家として活動しており、好きな写真業を投げ打ってゼロからの再出発。店舗を再建させつつ、日持ちして量産のできるういろう作りに成功する。

こうして受け継がれたチャレンジスピリットは、現5代目の時代となっても衰えを知らず、次々に新商品を世に出している。青柳総本家のロゴマークにもなっている“柳に飛びつくカエル”のごとく、決してチャレンジを忘れていない。3日の日持ちの「ひとくち生ういろう」や、洋菓子部門のアイデアから生まれた「ケロトッツォ」などは人気商品として知られているだろう。さらにtwitterではういろうアレンジレシピが紹介されており、バターで焼くことで外カリ中トロの“焼きういろう”がバズったりしている。「ロングラン商品には愛される理由がある。そのポイントを保ちながらトレンドを生かして、食べたいと思える商品をつくりたい」と語る。

ビジネスマン

季節のお菓子

  • 青柳ういろうAir
  • 冷やしういろう
  • Willows
  • ケロトッツォ クリームチーズ&レモン
  • 青柳ういろうAir

    ネーミングからも想像できるように、あのノート型パソコンの薄さをイメージして作られた薄型のういろう。パソコンをバッグに入れて持ち歩くように、このういろうもそのままバッグに入れて使えるサイズ感だ。

    お土産にしてもいいが、自分のためのおやつとして、いつもバッグにしのばせておきたい。味は昔ながらのシンプルなしろ・さくら・抹茶の3種類。

  • 冷やしういろう

    一般的にういろうは冷やすと硬くなってしまうため、常温で食べる和菓子として定着している。ところがこれは発想の転換で、“冷やした状態がおいしい”特別な製法に挑戦して誕生したシリーズ。

    冷蔵庫で冷やして食べるともっとも美味しくなる。茶巾絞りのひとくちサイズという点も人気の秘訣。和三盆と黒糖の2種類がある。

  • Willows

    Willowとは、英語で柳のこと。青柳総本家のロゴマークが「柳に飛びつくカエル」モチーフであることと、ウィロウの発音が似ていることからネーミングされ、紅茶に合う商品として登場した。春はストロベリー、夏にココナッツレモン、ミックスベリー、マンゴー、秋から冬にかけてはピスタチオ、モンブラン、凍頂烏龍茶と黒糖などがある。さらにパッケージが秀逸。空箱は捨てずに、お薬やアクセサリーなど小さな物を入れる小箱として使いたい。

  • ケロトッツォ クリームチーズ&レモン

    ロングセラーのカエルまんじゅうがケロトッツォに生まれ変わったことで話題になった大ヒット商品。こちらはカエルまんじゅうにクリームを合わせたら美味しい!というtwitterでのアレンジレシピ紹介が評判となって、そこから生まれたアイデアだった。カエルまんじゅうに生クリームとクリームチーズがサンドされている。このほか、ラムレーズン&くるみ味もあり、どちらもカエルまんじゅうの美味しさにコクが加わったリッチな味わいになっている。


青柳総本家

住所:名古屋市中区大須2-18-50
TEL:052-231-0194
営業時間:10:00〜18:30
定休日:水曜
URL:https://www.aoyagiuirou.co.jp/
SNS:


周辺情報

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大須の仁王門通、朝と夕の風景

名古屋を代表する商店街である大須の仁王門通に、青柳総本家の本店がある。取材の朝、商店街を歩いていたら、10時にラジオ体操の音楽が流れはじめた。商店街でラジオ体操?と驚いていると、店内で開店準備をしていた人々が、それとなく表に出てきて、おもむろにラジオ体操をはじめ、ご近所さんたちと挨拶を交わしてから再び店内へ。商店街がそろって一日をはじめようとする風景にでくわし、なんとも懐かしいような、人情味あふれる雰囲気に心を鷲掴みにされてしまった。

聞けば、いくつかある大須の通りの中でも、昔からお店を構えている人が多いと言われるのが仁王門通なのだそう。大須観音や大須演芸場もすぐ近くにあり、お休みの日になると多くの観光客でいっぱいになるという。地域の人々がそろってこの町を愛しんで商売をしているのが伝わってくる。

そして夕焼けが沈むころ、仁王門通の西の入り口には、太陽の光が名残惜しそうに商店街を照らすのだが、大きな提灯と仁王門通の先に見える風景がとてもきれいなのだと青柳総本家の方が教えてくれた。いわゆるマジックアワーということだろうか。朝と夕の両方の風景を、ぜひ仁王門通で楽しんでいただきたい。

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