豆は、そこから芽が出て大きくなることから、富をもたらして子孫繁栄のシンボルとされ、おせち料理や節分の豆まきに使われるなど、縁起の良いものとして知られている。豆菓子専門店である豆福は、特別な時のための豆菓子から、日常的に楽しめるものまで幅広い商品構成で、多くのファンを持つ和菓子店である。
豆福の歴史を辿ってみよう。初代が昭和14年(1939年)に創業。戦争で一時的に休業するものの、戦後の復興期に店舗を再開し、その後順調に事業を拡大。特別な時に食べる豆菓子として、付加価値のある商品づくりを進めたことがブランディングとして成功したのだそうだ。
2代目にあたる先代になると、商品ラインアップを拡げ、その商品数から、百貨店出店や結婚式の引き出物に使われるなど、豆福の名前を広く知らしめた。そして平成28年(2016年)に現在の3代目が事業を継承。創業以来引き継がれている「よいものをつくろう」との想いから商品数を厳選。他のどこにもない高付加価値の豆菓子づくりに邁進している。
豆福の商品を食べたことがある人なら、その実直な菓子づくりの考え方と、作り手が楽しみながら作っていることを感じるのではないだろうか。安心できる材料で作られた季節ごとの豆菓子を口にすると、心がワクワクしてくる。作り手の高揚感が食べ手にも伝わってくるのである。
住所:名古屋市西区新道2-14-10
TEL:052-571-4057
営業:10:00~17:00
定休日:日曜
URL:https://www.mamefuku.co.jp/
SNS:
「ノリタケの森」は、明治37年(1904年)に一枚のディナー皿から誕生したノリタケカンパニーリミテドの100周年の記念事業として、近代陶業発祥の地であるノリタケ本社敷地内に平成13年(2001年)にオープンした文化施設である。
明治37年(1904年)に建築された赤レンガの旧工場や、昭和初期の煙突など、産業遺産として価値の高い建築物は圧巻。これらは経済産業省の近代産業化遺産群に認定されている。このほか、ノリタケの歴史・技・伝統をテーマにしたクラフトセンター・ノリタケミュージアムがあり、明治時代に作られた飾り皿や、昭和初期の洋食器などが数多く展示されている。
中でも必見なのは、オールドノリタケの精緻に描かれた絵付けの素晴らしさ。明治から大正にかけて、ノリタケの食器が海外へと数多く輸出されており、近代名古屋の産業が世界に向けて発信されていたことを教えてくれる。
また市民に開放されたグリーンエリアがあり、赤レンガの建物を見ながらのんびり憩うことができる。ノリタケの森と名付けられただけあり、ビオトープがあったり、森の散策コースがあったり、メタセコイヤの並木道にせせらぎがあったり。名古屋駅の高層ビル群を横目に見ながら自然を感じることができる。
豆福からは歩けば10分弱、自転車なら5分以内の距離なので、ぜひ豆菓子を片手にノリタケの森ピクニックをおすすめしたい。