地下鉄「新瑞橋」駅を上がったところの交差点の角に、山田餅あらたまはある。新瑞橋は名古屋南部のターミナル駅ということもあり、人の往来がとても多い場所である。取材に伺った日は、学校帰りの高校生がお菓子を買いに来ており、どのおはぎを買おうかと悩みながらショーウインドウを見ている姿がとても印象的だった。
山田餅あらたまは、名前の通り餅菓子屋さんで、おはぎや団子などの餅を使ったお菓子のラインアップがとても多い。その日に並んでいたおはぎは、6種類もあった。おなかが空いた高校生がどれにしようかと迷う気持ちは手に取るようにわかる。あん、きなこ、黒ごま、白ごま、しそ、そしてなんと、のりたま!
のりたまのおはぎを思いついたのはなぜかとご主人に聞いてみた。「和菓子が好きな人は、おはぎを朝ごはんにしても違和感がないと聞いて、それならのりたまのおはぎがあったら面白いかな?と思って作ってみたんです。そうしたら美味しくて!」
筆者も買って食べてみたが、確かに不思議な美味しさである。おにぎりとは違うし、甘いおはぎとも印象が違うのだ。のりたまと餅米の自然な甘みが面白い味の調和となっていた。
この他に、チーズやレモンのおはぎ、季節ごとに登場するオリジナルおはぎもある。そう、甘いだけがおはぎじゃないのである。おはぎの可能性は、これからもどんどん広がっていくに違いない。
住所:名古屋市瑞穂区瑞穂通8-22-2
TEL:052-841-9643
営業:9:00~18:00
定休日:火曜日
URL:https://mochiya-aratama.com/
SNS:
山田餅あらたまから歩いて5分ほどのところに、瑞穂公園はある。地元では「瑞穂グランド」と呼ばれているスポーツ施設と公園が一体化した一大空間である。陸上競技場や野球場、ラグビー場にテニスコート、プールなどの競技施設が整っているので、野球やサッカーの応援に訪れたことがある人も多いだろう。スポーツ系の部活をやっていた人にとっては懐かしい場所であるかもしれない。
スポーツ観戦を楽しんだ人が、帰り道にその日の試合の話をしながら山田餅あらたまに寄ることがあるらしい。そんな日はスポーツの躍動感に街全体が包まれるのだろう。地元にこうした公園があるというのは、なんともうらやましい環境である。
山田餅あらたまのご主人は、“あらたま”で生まれ育ったということもあり、この瑞穂グランドは子どもの頃からの遊び場でもあった。どこにどんな林があって、散歩コースに適した道がどこにあるか、よく知っているという。「緑が多いので、散歩にはぴったり。四季を通じて楽しめますよ」とご主人。
地下鉄で新瑞橋についたら、山田餅あらたまに寄って和菓子を買って、瑞穂グランドまで歩き、木陰で和菓子ピクニックなどどうだろうか。あるいは、お休みの朝に9時の開店に合わせて行き、出来立てほやほやのおはぎを求め、瑞穂グランドでおはぎモーニングとか…。和菓子好きの妄想は尽きない。